2013年6月15日土曜日

この世に在ること

                           
「魂が地上を離れるとは、地上のすべてのものが美しく、素晴らしく見えることで
 あるに違いない。ああ、人々は、なぜ、この瞬間まで、地上にあることの、
 この深い喜びを、これほどの思いで、知ることがないのだろうか。

 (中略)

 そうだ、地上にあるとは、この濃縮された浄福を贈られていることだ。
 人が魂となるとは、この浄福を真の贈り物として、永遠の歓喜のなかに入ることだ。
 それはどのようなみじめな死にあっても、そうなのであろう……」
 
                        ――辻邦生『背教者ユリアヌス』
               
                                                                         
 
                                                                                                              



いずれにしろ、

現実を受け止め、少しでも心穏やかに過ごす方途を模索するしかないのだろう。


苦しみのなかにあっても、

地上にあることの、深い喜びに包まれているとユリアヌスは言っているのだから。


そのことに気づきさえすれば、なにも、恐れることはないのだから。