雲ひとつない夜空とそこに浮かぶ月の暈を見上げていた。
すべてはそこにあった。すべては宙に浮かんだまま。
雨も、霰も、火も、石も、そして神がいるならば、その御心も。
恒星も、惑星も、彗星も、私たちの運命も。
すべては宙ぶらりんのまま、空の彼方に浮かんだままだった。
――アンドレア・バレット『地図に仕える者たち』
師走も半ばを過ぎ、いよいよ殺人的スケジュールに突入した夢ねこです。
芳年の残酷絵がいつまでもブログのトップに来るのもどうかと思うので、
とりあえず近所で撮ったクリスマスの画像をアップします。
高島屋のツリーは小ぶりながら、シックでかなり凝っていますね。
シカやクマやフクロウなど、森の動物たちが隠れています。
駅ナカのリースはシンプル。
子供のころ、アジアのとある小国に住んでいたとき、
毎週のように教会(日曜学校)に通っていたことがあって、
クリスマスには賛美歌を歌ったり、
聖歌隊でキャンドルサービスをして各家庭をまわったり、
聖書物語の劇を演じたり
外国製のクリスマスカードを交換したりして、
あのころがいちばんクリスマス気分を満喫できたように思います。
クリスマス、冬至の祝い、ミトラの祭り。
若いころ経験したゴージャスなクリスマスも良かったけれど、
教会でロウソクを灯して厳かに過ごしたクリスマスのほうが、
懐かしくて、印象深い。
頭上では流星が空を切り、熱い石が降り注ぐ。その光に満ちた草原の彼方には、私にはけっして手にすることのできないものが存在していた。私が手に入れられるのは、いま私の隣にあるものだけだった。
それでも
夢ねこはそっとささやいた、「神は天にあり、世はすべてよし」。