2011年5月6日金曜日

島根原発のある街へ

GWの前半、双方の実家(山陰と関西)に帰省したついでに、隣県の松江市に立ち寄った。

 島根県の松江市と安来市、鳥取県の境港市と米子市をまたがる中海。
 山陰らしい、どんよりとした広い空と海。
 鉛色の景色が広がる。


    小さなカモたちがたくさん泳いでいた。 のどかな風景。


水も空気もきれいだ。野菜も魚も汚染されていない。
放射能を気にせずに送る日常がここでは営まれている。

でも、すぐ近くには島根原発が建っている。
ここからは20キロと離れていない。

東京から離れたというのに暗い話になってしまって恐縮だが、やはり原発のことが頭から離れない。
空気や水がきれいであればあるほど、風景がのどかであればあるほど、
生活が穏やかであればあるほど、そのすべてを台無しにしてしまう原発のことを考えてしまう。

島根原発の1号機は、福島第一原発と同じマークⅠという古い型だ。
地震に耐えられる設計にはなっていない。
しかもその真下には、宍道断層という活断層が走っている。
それなのに、3号機のプルサーマル計画が現在も進行中だ。

これから松江に向かうが、松江市という県庁所在地の中に島根原発は存在する。
市の中心部から10キロしか離れていない。
今回の福島第一原発のような大事故があれば、当然、人口15万人の街全体が壊滅状態に陥るだろう。

だが、街も人も、何事もなかったように、ひたすら穏やかだった。