茶室「明々庵」へ。
門をくぐって。巧みに配された飛び石。
美しい筋目のついた白砂。
さらになかへ。
蹲(つくばい)と灯籠。
飾雪隠(かざりせっちん)。
その名の通り実際には使われないが、清潔に保たれた雪隠を
拝見することで、亭主の心入れを感じるためのもの。
にじり口。
貴人口から見た内部。
ちょっと傾いてしまいましたが、不昧公筆のお軸が床の間に。
撮影はできなかったのですがパンフレットによると、茶室の床の間は、五枚半の杉柾の小巾板をそぎ合せた奥行きの浅い床、また二畳台目の席は中柱もなく炉も向切りといった軽快なものとなっていて、定石に頓着しない不昧公の好みの一端を伺うことができるそうです。
明々庵の茅葺の入り母屋を眺めながら一服。
増鏡という明々庵の茶席菓子。
菓子の円の中にある「一々」とは不昧公の花押のひとつ。
上品な甘さの落雁。
さわやかな香りが広がる、甘みのある美味しいお茶でした。
茶碗もこの土地の土を使って、近くの窯で焼かれたもの。
お軸は『従容録』のことばで 「明歴々露堂々」。
遠くに真理を求めなくても、真理は目の前に明らかに露呈されているということ。
いまここ、この一瞬を真剣に生きていくこと。
それ以外に真理はないということです。
花入れは、岩坂直(鼓窯)作、三島写しの舟徳利。
18世紀前半につくられた糸目継ぎ肩衝釜。
京都の釜師、大西五郎佐衛門作。
端正な造形と味わい深い模様。風格があります。