2011年6月4日土曜日

被曝の森はいま ~ チェルノブイリ25年

              
チェルノブイリ原発事故から25年。

原発周辺の生態系の研究が進み、動植物への放射線の影響がしだいにわかってきました。

その研究成果をまとめたのが、NHKで放送された『被曝の森はいま』です。

http://www.youtube.com/watch?v=rI3WFze9F2g&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=HXEssqBcIq8&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=VJOhV-h8g0Y&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=pPKWNxkj7Vk&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=MrzZHc3qZoE&feature=related

被曝のメカニズムがわかりやすく解説されています。

特に興味深かったのが、生体に備わる防御機能(ホルミシス効果による生体防御機構の活性化)が、ネズミに顕著にみられるという調査結果です。


これに対し、低線量の放射線を受け続けたツバメでは、奇形や奇形による機能障害、精子の形態的異常、老化の促進、短命、腫瘍が数多く見られました。

ツバメにこのような異常が多いのは、ツバメは渡り鳥なので、アフリカに長距離移動する際に抗酸化物質が大量に消費されるからだと推測されます。

放射線の有害な影響に打ち勝つには、抗酸化物質によってフリーラジカルを消し去る必要があります。
しかし、その武器である抗酸化物質は、海を渡り長距離移動することで消耗されるので、チェルノブイリのツバメは抗酸化物質が枯渇した状態でフリーラジカルと闘わなければなりません。

このため、ツバメの体に異常が発現しやすくなるそうです。

(抗酸化物質摂取の重要性が、あらためてわかります。アンチエイジングと同じ原理ですね。)


この番組を見て、さらに考えさせられたのが、チェルノブイリの森が立ち入り禁止区域になり、そこから人間がいなくなったおかげで、森林の生物多様性が高まったということです。

ということは、
多くの生物にとって敵となるのは、「放射線よりも人間」ということでしょうか。
予想通りというか……。

放射線に汚染された地域でも、生物は自然に淘汰され、優れた防御機能を備えたものが繁栄し、次の世代に遺伝子を受け渡していく。
自然とは、たくましいものです。


人間もむやみに怖がるのではなく、正しい知識と情報、そして理性と直観を武器にして、放射線とたくましく闘っていくことが大切ですね。