2011年3月28日月曜日

ドグラ・マグラ

 いよいよ、カウントダウンに入ったのかもしれない。

人類がいまだかつて経験したことがないほどの恐ろしい事態が進行しつつある。
それなのに、為政者も学者も「安全だ」、「大丈夫だ」と事も無げに言い放ち、
テレビでは能天気なバラエティー番組が流れつづけ、
平穏な日常が継続されている。

刻々と、着実に、断末魔を迎えつつある世界の中で、
人々は弛緩した笑みを浮かべながら、
何の変哲もない日常を無感覚に、鈍感に営み続けている。

その恐ろしいギャップ。
不気味な違和感。

アンソールの絵の中で嘲笑する仮面の群衆に囲まれているような気分になる。
  
もはや誰も近づけない原発。
手の施しようのない危機的状況と、呑気な報道内容のアンバランス。

狂っている……。
彼らが、世の中が、何もかもすべてが。

それとも、狂っているのはわたしのほうなのか?

放射線の恐怖におびえるのは、わたしが狂っているから?
再臨界の恐怖におびえるのは、わたしが狂っているから?

本当は、彼らが正しくて、
放射線に汚染された水も、空気も、食品も、「安全」で、
高濃度の放射性物質が海中に流出しても、
作業者の被曝許容値を引き上げて
高いレベルの放射線が充満した原子炉で生身の人間を作業させても、
問題はないのだろうか?

そこへ行って作業しろと、安全な場所から平然と言い放つ、
電力会社のお偉方、高名な学者、そして役人や政治家たち。
(そして恐ろしいことに、それについてはわたしも同罪だ!)
 
それがきわめて重大な、
「危機的」という言葉をもはるかに超えた状況だと思うのは、
わたしが狂っているからなのか?

テレビの画面からは、相変わらず笑い声が響いてくる。
 
狂っているのはわたしのほうなのか?