2011年4月2日土曜日

大切なのは現実と向き合うこと

3週間が過ぎた。

今週、英国『Guardian』紙は、元GEの技術者Richard Lahey氏のインタビューを掲載した。

福島第1原発の原子炉は同社が開発および技術指導をしたものだが、Lahey氏はそれらの原子炉を福島原発に導入する際に、安全性調査のヘッドを務めた人物である。
同氏はこのように語る。

「(福島第1原発)2号機の状態や放射線測定値、および測定された放射性物質を分析した結果、溶融した炉心が圧力容器の底を溶かして突き破り、少なくともその一部がドライウェル(格納容器)の床に落ちていると思われる」とLahey氏。「この予想がはずれていることを願うばかりだが、ここにあるエビデンスは確かにそのことを示している」

さらに、「(溶融した燃料は)ひとつの大きな塊になって出てくるのではなく、溶岩のように流れ出てくるだろう」(後者の方が冷却しやすいので、まだましだと同氏は語っている。)  本ブログ管理人訳



 そして昨日(4月1日)、フリージャーナリストの岩上安身氏が、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏(長年、原発の実態を科学的に語ってきた人物)に対してインタビューをおこなった。
 「圧力容器に穴があいていることは、原子力の専門家ならもう誰でも気づいている」と小出先生は語る。そして、「この穴をふさぐ手立てはない。放射線レベルが高すぎて、もはや誰も近寄れないからだ」と述べ、これから福島第1原発がたどるだろう経緯を、誰よりも明確に、納得のいく形で示している。
 
インタビュー映像の録画
http://www.ustream.tv/recorded/13695456
 
わたし自身は、逆説的だが、最悪のシナリオ(説得力のあるシナリオ)を知っておいた方が、はるかに気持ちが休まった。
 
ここで紹介した真の専門家たちの見解をどのように捉えるかは各自の自由であるが、政府や官僚、マスコミに真実の開示を求めてもまったくの無駄であることが明白になったいま、無知による集団パニックを避けるためにも、できるだけ多くの人が「正常な危機感」を持つことは大切だと思う。
 

《付記》
中部大学の武田邦彦先生が、原発や放射線汚染について、専門家としての信念と使命感をもってブログの中で述べていらっしゃいます。
東北や首都圏に住む人は、しばらくは”放射能的生活”を送らなければならないので、「自分や家族の身は自分で守るしかない」と考えている人にお勧めです。

http://takedanet.com/2011/03/16_3882.html


ガイガーカウンタ計測グラフ:東京近辺にお住まいの方には参考になるかもしれません。

http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_index.html