2010年6月12日土曜日

オルセー美術館展:トゥールーズ=ロートレック

  
第4章 トゥールーズ=ロートレック


 ロートレックの作品3点が紹介されていた。
 いずれも娼婦や女芸人やダンサーといった、モンマルトルの夜の街で懸命に生きる女性たちがモデル(『黒いボアの女』の職業は不明)。

 海千山千、酸いも甘いも噛み分けた女が、ふとした瞬間に見せる倦怠と諦観の入り混じった表情や、女の背中から漂う虚無感が描きつくされていて、妙に共感を誘うのであった。 


 華やかな歓楽街の裏側を鋭くとらえ、ポスター画の達人ならではのキャッチーな色彩と構図で描きだす。ロートレックにしかできない芸当だろう。