2012年4月30日月曜日

東北の春

GWの前半(4月29日)、桜の見ごろを迎えた東北は、花見客でにぎわっていた。

多賀城政庁跡の桜

ほんとうに自然のパワーは凄い。
喜びも、悲しみも、いろんなものを与えてくれる。


東北鎮護・奥州一宮「塩竈神社」


満開の桜




宝物を運ぶ神主さん


桜に平安装束が映えます



神苑




大島桜や佐野桜、兼六園菊桜、染井吉野など、色とりどりの桜


撫でると無病息災の御利益があるとされる「なで牛」
インドのシヴァ神信仰に由来するのかもしれない
愛嬌のある顔は、みんなに撫でられて黒光りしています



見事な枝垂れ桜


国の天然記念物「塩竈桜」
手毬状につく八重桜です


芭蕉が塩竈神社を参拝した折に見て、感動したとされる「文治灯籠」
しかし実際には、本物の文治灯籠は戦時中に供出されてしまったので、
この錆びた灯籠は戦後につくられたレプリカとのこと




塩竈神社社殿
ブルーノ・タウトは好みではないかもしれないが、
芭蕉は『奥の細道』のなかで荘厳な社殿を褒め称えた



1809年に、伊達周宗が蝦夷地警護凱旋ののち
奉寶として寄進した灯籠
江戸後期の高度な鋳物技術がうかがえる



塩竈神社内の「志波彦神社」



志波彦神社の前からは塩竈港と島々が見降ろせます


昨日の荒涼とした被災地とは、対照的な風景だった。

津波に襲われた場所は荒漠とした原野のようだが、影響を受けなかった場所は、傾きかけた古い家屋や店舗がまばらにあるだけで、ごく普通の街並みのように見える。

ほんの数日滞在しただけでは、被災地の現状など分かるはずもないが、現実をぐっと静かに受け止め、立ちあがり、前に進む人々の姿を見ることができた。

「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ」
アランのこの言葉を実践しているかのような素敵な笑顔を、宮城で何度も目にした。


家族や親族が一緒だった(親戚のお見舞いと母の古希のお祝いを兼ねていた)ので、直接被災した場所をあまり見ることができなかったが、着々と復興に向かいつつある東北のパワーを実感した旅だった。